司法書士試験 過去問トレーニング vol.3

司法書士試験過去問一問一答

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司法書士過去問 令和2年度 午前の部 問6

問題

次の対話は、条件と期限に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、どれか。

    1. 教授:条件も期限も、法律行為の効力の発生又は消滅等を一定の事実にかからしめる法律行為の付款ですが、条件と期限には、どのような違いがありますか。
    2. 学生:ア 「条件は、実現するかどうか不確実な事実にかからしめるものであり、期限は、将来必ず実現する事実にかからしめるものである点で異なります。」
    3. 教授:例えば、「自分が出世したら返済する」と約束して借金するような、いわゆる出世払い特約の場合には、条件と期限のどちらに該当するでしょうか。
    4. 学生:イ 「出世するかどうかは不確実ですから、出世払い特約の内容に、出世の見込みがなくなったときには返済しなければならないということが含まれていた場合でも、条件に該当します。」
    5. 教授:条件や期限を付することができない法律行為はありますか。
    6. 学生:ウ 「例えば、婚姻や縁組、認知には、始期を付することはできますが、条件を付することはできません。」
    7. 教授:では、訴訟外で相殺の意思表示をする場合に、その意思表示に条件や期限を付することはできますか。
    8. 学生:エ 「訴訟外でする相殺の意思表示には、条件も期限も付することができません。」
    9. 教授:条件の成就や期限の到来の効果を条件成就や期限到来の時以前に遡らせることはできますか。
    10. 学生:オ 「条件については、当事者において、これが成就した場合の効果を成就した時以前に遡らせる意思を表示したときはその意思に従うことになりますが、期限については、その効果を期限が到来した時以前に遡らせることはできません。」




解説

 

    1. 正しい 選択肢の通り。
       


       

    2. 誤り 出世払いは不確定期限とするのが通説。

       

    3. 誤り 婚姻や縁組、認知などの身分行為に条件や期限を付けることは出来ない。

       

    4. 正しい 民法506条に規定されている通り。

      民法506条(相殺の方法及び効力)

      1項 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
      2項 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

       


       

    5. 正しい 選択肢の通り期限については、その効果を期限が到来した時以前に遡らせることはできません。

      民法127条(条件が成就した場合の効果)

      1項 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
      2項 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
      3項 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。

       

 






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