行政書士試験 過去問トレーニング vol.144

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行政書士過去問 平成30年問37

問題

株式会社の設立における発起人等の責任等に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。

    1. 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載または記録された価額に著しく不足するときは、発起人および設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意によっても、免除することはできない。
    2. 発起人は、出資の履行において金銭の払込みを仮装した場合には、払込みを仮装した出資に係る金銭の全額を支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意によっても、免除することはできない。
    3. 発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負い、この責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
    4. 発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
    5. 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。

解説

 

    1. 誤り 会社法55条に規定されている通り、総株主の同意がある場合は免除することが出来る。

      会社法52条 抜粋(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)

      1項 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。

      会社法52条の2 抜粋(出資の履行を仮装した場合の責任等)

      1項 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
      一号 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
      二号 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
      2項 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

      会社法53条(発起人等の損害賠償責任)

      1項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
      2項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

      会社法55条 (責任の免除)

      第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。

       


    2. 誤り 出資の履行を仮装した場合の責任についても会社法55条に規定されている通り、総株主の同意がある場合は免除することが出来る。

      会社法52条の2 抜粋(出資の履行を仮装した場合の責任等)

      1項 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
      一号 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
      二号 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
      2項 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

      会社法55条 (責任の免除)

      第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。

       


    3. 正しい 会社法53条1項、55条に規定されている通り。

      会社法53条(発起人等の損害賠償責任)

      1項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
      2項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

      会社法55条 (責任の免除)

      第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。

       


    4. 正しい 会社法53条2項に規定されている通り。

      会社法53条(発起人等の損害賠償責任)

      1項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
      2項 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

       


    5. 正しい 会社法56条に規定されている通り。 

      会社法56条(株式会社不成立の場合の責任)

      株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。

       

 


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