行政書士過去問トレーニング vol.17

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行政書士過去問 平成30年問39

問題

社外取締役に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

    1. 社外取締役は、当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他の使用人を兼任することができない。
    2. 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役の過半数は、社外取締役でなければならない。
    3. 公開会社であり、かつ、大会社である監査役会設置会社は、1名以上の社外取締役を選任しなければならない。
    4. 株式会社が特別取締役を選定する場合には、当該株式会社は、特別取締役による議決の定めがある旨、選定された特別取締役の氏名および当該株式会社の取締役のうち社外取締役であるものについては社外取締役である旨を登記しなければならない。
    5. 株式会社は、社外取締役の当該株式会社に対する責任について、社外取締役が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、当該社外取締役が負う責任の限度額をあらかじめ定める旨の契約を締結することができる旨を定款で定めることができる。

 

解説

 

    1. 正しい
        • 会社法2条1項15号「社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
        • 会社法2条1項15号イ「当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。」
    2. 正しい
        • 会社法331条「次に掲げる者は、取締役となることができない。」
        • 会社法331条1項2号「法人」
        • 会社法331条1項3号「成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者」
        • 会社法331条5項「取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。」
        • 会社法331条6項「監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。」
    3. 誤り 社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないとしている。
        • 会社法327条「次に掲げる株式会社(公開会社、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社)は、取締役会を置かなければならない。」
        • 会社法327条の2「事業年度の末日において監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものが社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない。」
    4. 正しい 特別取締役による議決の定めがあるときは、会社法911条3項イ~ハの内容を登記しなければならない。
        • 会社法911条3項21項イ「 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨」
        • 会社法911条3項21項ロ「 特別取締役の氏名」
        • 会社法911条3項21項ハ「取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 」
          • 会社法373条1項「第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。」
            • 会社法373条1項1「取締役の数が六人以上であること。」
            • 会社法373条1項2「取締役のうち一人以上が社外取締役であること。」
    5. 正しい 
        • 会社法427条1項「第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 」

 


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