行政書士過去問 一問一答トレーニング vol.46

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行政書士過去問 平成27年問28

問題

心裡留保および虚偽表示に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

    1. 養子縁組につき、当事者の一方において真に養親子関係の設定を欲する意思がない場合であっても、相手方がその真意につき善意、無過失であり、縁組の届出手続が行われたときは、その養子縁組は有効である。
    2. 財団法人(一般財団法人)の設立に際して、設立関係者全員の通謀に基づいて、出捐者が出捐の意思がないにもかかわらず一定の財産の出捐を仮装して虚偽の意思表示を行った場合であっても、法人設立のための当該行為は相手方のない単独行為であるから虚偽表示にあたらず、財団法人の設立の意思表示は有効である。
    3. 土地の仮装譲渡において、仮装譲受人が同地上に建物を建設してその建物を他に賃貸した場合、建物賃借人において土地譲渡が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去および土地の明渡しを求めることができない。
    4. 仮装の売買契約に基づく売買代金債権が他に譲渡された場合、債権の譲受人は第三者にあたらないため、譲受人は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であっても、買主に対して売買代金の支払を求めることができない。
    5. 金銭消費貸借契約が仮装され、借主に金銭が交付されていない場合であっても、当該契約に基づく貸金債権を譲り受けた者は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、借主に対して貸金の返済を求めることができる。

 

解説

 

    1. 誤り 養子縁組は養親の双方同意がある必要がある。したがって、当事者一方が養子縁組の届出提出に善意無過失あったとしても養子縁組は成立しない。

      最判昭23年12月23日

      真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第九三条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。従つて、論旨は理由がない。


    2. 誤り 財団法人を設立するためにされる寄附行為は、相手方を必要としない単独行為であるが、事実関係を実質的に考察し、当該寄附行為について民法九四条の規定を類推適用してこれを無効と解するとした。 ※出捐:金銭や品物を寄付すること。

      最判昭56年4月28日

      財団法人を設立するためにされる寄附行為は、相手方を必要としない単独行為であるが、その一環をなす財産出捐行為が、現実には財団法人設立関係者の通謀に基づき出捐者において真実財産を出捐する意思がなく単に寄附行為の形式を整える目的で一定の財産を出捐する旨を仮装したというにすぎない場合においては、右事実関係を実質的に考察し、当該寄附行為について民法九四条の規定を類推適用してこれを無効と解するのが相当である。


    3. 誤り 選択肢の建物賃借人は仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められない。

      最判昭42年6月29日

      民法九四条二項所定の善意の第三者であることは、同条項の保護を受けようとする当事者において主張、立証しなければならないものと解するのが相当(中略)右条項にいわゆる第三者とは、虚偽の意思表示の当事者またはその一般承継人以外の者であつて、その表示の目的につき法律上利害関係を有するに至つた者をいうと解すべき

      最判昭57年6月8日

      土地の仮装譲受人が右土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合、右建物賃借人は、仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められないから、民法九四条二項所定の第三者にはあたらないと解するのが相当である。


    4. 誤り 債権の譲受人は虚偽の売買契約につき法律上利害関係を有するに至ったと解すべきであり、民法94条第2項が類推適用されて、債権の譲受人は仮装の売買契約の買主に対して売買代金の支払を求めることができる。


    5. 正しい 仮装の金銭消費貸借契約でも選択肢4同様に善意の第三者は保護される。

民法94条

1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 


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