憲法82条を深堀する | 憲法の深堀り①
憲法82条
①裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
②裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
なるほどなるど・・・
一見すると当たり前のことが書いてあると思いますが、自分が気になるのは「家族間の問題」において、憲法上非公開にすることができないのか?ということだ
さあ大学で数学と物理を専攻した自分ではありますが、いろいろと考えてみました・・・
ちなみに、殴り書きかつ趣味で法律を勉強しているだけなので、温かい目で頂けると幸いです。
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憲法82条の原則を整理する
原則
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行うが、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には裁判所の裁判官全員の一致で非公開ができる。
公の秩序又は善良の風俗を害する虞(おそれ)
裁判所のホームページにあるように「特許権等若しくは実用新案権等の侵害に係る訴訟又は不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟」などが、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があるそうです。なるほど、確かに特許に関する裁判などをライバル企業の第三者に膨張されたら元も子もないですよね。
でもそれだけではよいのでしょうか、例えば性犯罪はどうでしょうか。となると「公の秩序又は善良の風俗を害する虞」について、より深く考えなければならないと思います。
というわけで「公の秩序又は善良の風俗を害する虞」について別ページでまとめてみたいと思います。
※別ページは鋭意勉強中
憲法82条1項の例外
憲法82条2項但し書きにおいて、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
なるほど、政治犯罪や国民の権利の問題となっている事件が非公開になるのは納得がいく。例えば、労働基本権が非公開で対審されていたら非常に納得がいかない。とはいえ大衆の心理が裁判の結果を左右するのも好ましくないとは思うが・・・
でも個人的に気になるのが、出版に関する犯罪である。「出版に関する犯罪」と「公の秩序又は善良の風俗を害する虞」が複合したらどうだろうか、資格試験で合格するためには字面を覚えればいいかもしれないが、やはり気になってしまう。ここに関しては「公の秩序又は善良の風俗を害する虞」について深堀出来たらまとめなおしたいと思う。
家族間の問題(編集途中)
調べてみたところ、憲法82条は「純然たる訴訟事件」の公開を定めたもので、家族間の問題だと「純然たる訴訟事件」か「非訴訟事件」なのかが問題である。
前者は、当事者の意思いかんにかかわらず終局的に、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定する裁判については、公開の法廷における対審及び判決によってなされなければならない。
後者は民事の法律関係に関する事項について、終局的な権利義務の確定を目的とせず、裁判所が後見的に介入して処理することを特徴とする事件類型をいう。裁判所は当事者の主張に拘束されず、その裁量によって将来に向かって法律関係を形成する。
なるほど、ここでまた論点が生じてしまった、憲法82条はどこから「純然たる訴訟事件」について定めていると導き出せるのかだ。
ちなみに「家族間の問題」であっても、純然たる訴訟事件となった場合は公開の法廷で決着をつけないとならない。悲しい結末ではあるが・・・
編集後記
当たり前のことだろと思っていた憲法82条でしたが、意外と骨あるやつです・・・
字面は簡単に見えて、実際のケースで合理的に判断するためにはいろいろ知恵を絞らないといけないのですね。調べてみましたが、性犯罪のプライバシーなどは専門家の方が色々と考えてるようなので、そちらも勉強してみたいと思います。
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