司法書士試験 過去問トレーニング vol.4

司法書士試験過去問一問一答

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司法書士過去問 令和2年度 午前の部 問9

問題

相隣関係に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

    1. 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
    2. 境界線上に設けられた囲障は、相隣者の共有に属するものと推定される。
    3. 土地の所有者は、境界付近において建物を修繕するために必要があるときは、隣人の承諾がなくても、隣人の住家に立ち入ることができる。
    4. 民法第210条の規定による通行権を有する者であっても、通路を開設することはできない。
    5. 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根を設けてはならない。




解説

 

    1. 正しい 民法223条に規定されている通り。

      民法223条(境界標の設置)

      土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる

       


       

    2. 正しい 民法229条に規定されている通り。

      民法229条(境界標等の共有の推定)

      境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。

       


       

    3. 誤り 民法209条に規定されている通り隣人の承諾が必要。 

      民法209条(隣地の使用請求)

      1項 土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
      2項 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。。

       


       

    4. 誤り 民法211条に規定されている通り、必要があるときは、通路を開設することができる。

      民法210条(公道に至るための他の土地の通行権)

      1項 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
      2項 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

      民法211条(権限の定めのない代理人の権限)

      1項 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
      2項 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。

       


       

    5. 正しい 民法218条に規定されている通り。

      民法218条(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)

      土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。

       

 






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