行政書士試験 過去問トレーニング vol.148

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行政書士過去問 平成29年問4

問題

次の記述は、ため池の堤とう(堤塘)の使用規制を行う条例により「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、ため池の破損、決かい等に因る災害を未然に防止するため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止される」ことになった事件についての最高裁判所判決に関するものである。判決の論旨として妥当でないものはどれか。

    1. 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。
    2. ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていない。
    3. 憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない。
    4. 事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易かつ適切である。
    5. 憲法29条2項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される。

解説

    1. 妥当である

      ため池の保全に関する条例違反 最判昭和38年6月26日

      ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、本条例一条の示す目的のため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止されることになるが、それは災害を未然に防止するという社会生活上の已むを得ない必要から来ることであつて、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、公共の福祉のため、当然これを受忍しなければならない責務を負うというべきである。

       


    2. 妥当である

      ため池の保全に関する条例違反 最判昭和38年6月26日

      ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていないものであつて、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあるものというべく、従つて、これらの行為を条例をもつて禁止、処罰しても憲法および法律に牴触またはこれを逸脱するものとはいえない

       


    3. 妥当である

      ため池の保全に関する条例違反 最判昭和38年6月26日(抜粋)

      ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていないものであつて、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあるものというべく、従つて、これらの行為を条例をもつて禁止、処罰しても憲法および法律に牴触またはこれを逸脱するものとはいえない

       


    4. 妥当である

      ため池の保全に関する条例違反 最判昭和38年6月26日(抜粋)

      事柄によつては、特定または若干の地方公共団体の特殊な事情により、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに、その条例で定めることが、容易且つ適切なことがある。

       


    5. 妥当ではない 判例、通説においても財産権の内容を条例で定めることを認めている。

 


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