行政書士試験 過去問トレーニング vol.136

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行政書士過去問 平成30年問12

問題

法令に違反する行為の是正を求める行政指導を国の行政機関が担当する場合に関する次の記述のうち、行政手続法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

    1. 不利益処分を行う権限を有する行政機関は、法令違反を理由として不利益処分を行おうとする場合、その相手方に対し、緊急を要する場合を除き、あらかじめ行政指導を用いて法令違反行為の是正を求めなければならない。
    2. 行政指導が既に文書により相手方に通知されている事項と同一内容の行政指導である場合、行政機関はその内容を記載した書面を求められても、これを交付する必要はない。
    3. 同一の行政目的を実現するために複数の者に対し行政指導をする場合、行政機関はあらかじめ当該行政指導の共通する内容を定め、行政上特別の支障がない限りそれを公表しなければならない。
    4. 行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が法律所定の要件に適合しないと思料する場合、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止を求めることができる。
    5. 地方公共団体の機関が国の行政機関から委任を受けて行政指導を行う場合、行政手続法の定める行政指導手続に関する規定は、この行政指導の手続には適用されない。

解説

 

    1. 誤り 行政手続法13条1項に規定されている通り、行政庁は、不利益処分をしようとする場合基本的に聴聞または弁明の機会を付与しなければならないが、行政指導を用いて法令違反行為の是正を求めなければならない規定は存在しない。

      行政手続法13条 抜粋(不利益処分をしようとする場合の手続)

      1項 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
       一号 次のいずれかに該当するとき 聴聞
        イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
        ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
        ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。
        ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。
       二号 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与
      2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。
       一号 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。
       二号 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

       


    2. 正しい 行政手続法35条3項、4項に規定されている通り。

      行政手続法35条 抜粋(行政指導の方式)

      3項 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前二項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
      4項 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。
       一号 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
       二号 既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの

       


    3. 正しい 行政手続法36条の規定の通り。 

      行政手続法36条(複数の者を対象とする行政指導)

      同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。

       


    4. 正しい 行政手続法36条の2 1項の規定の通り。

      行政手続法36条の2 抜粋(行政指導の中止等の求め)

      1項 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

       


    5. 正しい 行政手続法3条3項の規定の通り。

      行政手続法3条 抜粋(適用除外)

      3項 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。

       

 


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