民法一問一答 8

民法一問一答

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民法一問一答

参考過去問:行政書士過去問 平成28年問32

問題

 

債権者代位権または詐害行為取消権に関する次の記述は民法の規定および判例に照らして正誤を判断してください。

債権者は、債権の弁済期前であっても、債務者の未登記の権利について登記の申請をすることについて、裁判所の許可を得た場合に限って、代位行使することができる。

 

誤り 民法423条に規定されている通り、債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、債務者の未登記の権利について登記の申請をすることについては保存行為に当たるため、債権の期限が到来しない間でも、裁判所の許可を得ずに代位権を行使することができる。

民法423条(債権者代位権の要件)

1項 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
2項 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
3項 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。

 

 


 

 

債権者代位権または詐害行為取消権に関する次の記述は民法の規定および判例に照らして正誤を判断してください。

債権者は、債務者に属する物権的請求権のような請求権だけでなく、債務者に属する取消権や解除権のような形成権についても代位行使することができる。

正しい 民法423条に規定されている通り。また取消権や解除権のような形成権は債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利には該当しないても正しい。

民法423条(債権者代位権の要件)

1項 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
2項 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
3項 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。

 

 


 

 

債権者代位権または詐害行為取消権に関する次の記述は民法の規定および判例に照らして正誤を判断してください。

債権者は、債務者に属する権利を、債権者自身の権利として行使するのではなく、債務者の代理人として行使することができる。

 

誤り 債権者代位権とは、債権者は自己の名において、自己の利益のために権利を行使することである。

 

 


 

 

債権者代位権または詐害行為取消権に関する次の記述は民法の規定および判例に照らして正誤を判断してください。

甲不動産がAからB、AからCに二重に譲渡され、Cが先に登記を備えた場合には、AからCへの甲不動産の譲渡によりAが無資力になったときでも、Bは、AからCへの譲渡を詐害行為として取り消すことはできない。

 

誤り 下記判示の通り、本肢のケースでは詐害行為として取り消すことができるものと解するとしている。

最判昭和36年7月19日 詐害行為取消請求

民法四二四条の債権者取消権は、総債権者の共同担保の保全を目的とする制度であるが、特定物引渡請求権(以下特定物債権と略称する)といえどもその目的物を債務者が処分することにより無資力となつた場合には、該特定物債権者は右処分行為を詐害行為として取り消すことができるものと解するを相当とする。

民法400条(特定物の引渡しの場合の注意義務)

債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

民法424条(詐害行為取消請求)

1項 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2項 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
3項 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
4項 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。

 


 

債権者代位権または詐害行為取消権に関する次の記述は民法の規定および判例に照らして正誤を判断してください。

詐害行為取消権の立証責任に関しては、債務者の悪意と同様に、受益者および転得者側の悪意についても債権者側にある。

 

誤り 下記判示の通り、受益者または転得者の善意の挙証責任は受益者または転得者自身に存するものと解すべきである

最判昭和37年3月6日 詐害行為取消請求

民法四二四条一項但書にいわゆる受益者または転得者の善意の挙証責任は受益者または転得者自身に存するものと解すべきであり

民法424条(詐害行為取消請求)

1項 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2項 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
3項 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
4項 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。

 

 






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