民法一問一答 ~宅建士過去問解説令和2年10月問1~

民法一問一答

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参考過去問:宅建士過去問 令和2年10月問1

問題

Aが購入した甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない土地であった場合に関する次の記述を民法の規定及び判例を基にして正誤を判断してください。

甲土地が共有物の分割によって公道に通じない土地となっていた場合には、Aは公道に至るために他の分割者の所有地を、償金を支払うことなく通行することができる。

 

▼白色テキストで答えがあります▼

正しい 民法213条に規定されている通り。

民法213条

1項 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。
2項 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。

▲白色テキストで答えがあります▲

 


Aが購入した甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない土地であった場合に関する次の記述を民法の規定及び判例を基にして正誤を判断してください。

Aは公道に至るため甲土地を囲んでいる土地を通行する権利を有するところ、Aが自動車を所有していても、自動車による通行権が認められることはない。

 

▼白色テキストで答えがあります▼

誤り 民法210条に規定されているい囲繞地通行権において、自動車による通行が必ず認められないわけではない。

民法210条(公道に至るための他の土地の通行権)

1項 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2項 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

最判平成18年3月16日 通行権確認等請求及び承継参加事件

自動車による通行を前提とする210条通行権の成否及びその具体的内容は,他の土地について自動車による通行を認める必要性,周辺の土地の状況,自動車による通行を前提とする210条通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである。

▲白色テキストで答えがあります▲

 

 


Aが購入した甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない土地であった場合に関する次の記述を民法の規定及び判例を基にして正誤を判断してください。

Aが、甲土地を囲んでいる土地の一部である乙土地を公道に出るための通路にする目的で賃借した後、甲土地をBに売却した場合には、乙土地の賃借権は甲土地の所有権に従たるものとして甲土地の所有権とともにBに移転する。

 

▼白色テキストで答えがあります▼

誤り 本肢の場合は民法280条を基にした通行地役権ではなく賃借権である為、、乙土地の賃借権は甲土地の所有権に従たるものとして甲土地の所有権とともに当然Bに移転するわけではない。

民法280条(地役権の内容)

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

民法281条(地役権の付従性)

1項 地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2項 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。

▲白色テキストで答えがあります▲

 


Aが購入した甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない土地であった場合に関する次の記述を民法の規定及び判例を基にして正誤を判断してください。

Cが甲土地を囲む土地の所有権を時効により取得した場合には、AはCが時効取得した土地を公道に至るために通行することができなくなる。

 

▼白色テキストで答えがあります▼

誤り 本肢の場合、民法289条により通行地役権は原則消滅するが、民法210条に基づく囲繞地通行権は引き続き認められることから、Aが甲土地を公道に至るために通行することができなくなるわけではない。

民法210条(公道に至るための他の土地の通行権)

1項 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2項 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

民法289条(承役地の時効取得による地役権の消滅)

承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。

▲白色テキストで答えがあります▲

 

 






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