行政書士試験 過去問トレーニング vol.123

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行政書士過去問 令和元年問9

問題

内閣法および国家行政組織法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. 各省大臣は、国務大臣のうちから内閣総理大臣が命ずるが、内閣総理大臣が自ら各省大臣に当たることはできない。
    2. 各省大臣は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督するが、その機関の所掌事務について、命令または示達をするため、所管の諸機関および職員に対し、告示を発することができる。
    3. 各省大臣は、主任の行政事務について、法律または政令の制定、改正または廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。
    4. 各省大臣は、主任の行政事務について、法律もしくは政令を施行するため、または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として規則その他の特別の命令を発することができる。
    5. 各省大臣は、主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理するものとされ、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督することはできない。

解説

 

    1. 誤り 国家行政組織法5条3項より誤り

      国家行政組織法5条

      1項 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。
      2項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。
      3項 各省大臣は、国務大臣のうちから、内閣総理大臣が命ずる。ただし、内閣総理大臣が自ら当たることを妨げない。

       


    2. 誤り 前段は正しいが所管の諸機関及び職員に対しは、告示ではなく訓令又は通達を発することができる。

      国家行政組織法10条

      各省大臣、各委員会の委員長及び各庁の長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。

      国家行政組織法14条

      1項 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。
      2項 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。

       


    3. 正しい 国家行政組織法10条より正しい

      国家行政組織法10条

      各省大臣は、主任の行政事務について、法律又は政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。

       


    4. 誤り 規則その他の特別の命令ではなく省令

      国家行政組織法12条

      1項 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。
      2項 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。
      3項 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。

      国家行政組織法13条

      1項 各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。
      2項 前条第三項の規定は、前項の命令に、これを準用する。

       


    5. 誤り 内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。

      内閣法3条

      1項 各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。
      2項 前項の規定は、行政事務を分担管理しない大臣の存することを妨げるものではない。

      内閣法6条

      内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。

       

 


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