行政書士試験 過去問トレーニング vol.145

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行政書士過去問 平成30年問40

問題

剰余金の配当に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。

    1. 株式会社は、剰余金の配当請求権および残余財産分配請求権の全部を株主に与えない旨の定款の定めを設けることができる。
    2. 株式会社は、分配可能額の全部につき、株主に対して、剰余金の配当を支払わなければならない。
    3. 株式会社より分配可能額を超える金銭の交付を受けた株主がその事実につき善意である場合には、当該株主は、当該株式会社に対し、交付を受けた金銭を支払う義務を負わない。
    4. 株式会社は、当該株式会社の株主および当該株式会社に対し、剰余金の配当をすることができる。
    5. 株式会社は、配当財産として、金銭以外に当該株式会社の株式、社債または新株予約権を株主に交付することはできない。

解説

 

    1. 誤り 会社法105条に規定されている通り、剰余金の配当請求権および残余財産分配請求権の全部を株主に与えない旨の定款の定めを設けることができない。

      会社法105条 (株主の権利)

      1項 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
       一号 剰余金の配当を受ける権利
       二号 残余財産の分配を受ける権利
       三号 株主総会における議決権
      2項 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

       


    2. 誤り 会社法461条1項8号に規定されている通り、余剰金の配当は分配可能額を超えない範囲で自由である。

      会社法461条 抜粋(配当等の制限)

      1項 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
       一号 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り
       二号 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。)
       三号 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得
       四号 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得
       五号 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り
       六号 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り
       七号 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り
       八号 剰余金の配当

       


    3. 誤り 会社法461条1項、462条2項に規定されている通り、株主がその事実につき善意であっても交付を受けた金銭を支払う義務は否定されない。

      会社法461条 抜粋(配当等の制限)

      1項 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
       八号 剰余金の配当

      会社法462条 抜粋(剰余金の配当等に関する責任)

      前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う

       


    4. 誤り 会社法453条に規定されている通り、当該株式会社は除かれる。

      会社法453条(株主に対する剰余金の配当)

      株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。

       


    5. 正しい 会社法454条1項に規定されている通り、当該株式会社の株式等(株式、社債または新株予約権等)は除かれる。 

      会社法454条 抜粋(剰余金の配当に関する事項の決定)

      1項 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
       一号 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
       二号 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
       三号 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日

       

 


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