行政書士試験 過去問トレーニング vol.111
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行政書士過去問 平成30年問22
問題
地方自治法の定める特別区に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
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- 特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
- 特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
- 特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
- 特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
- 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。
解説
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- 妥当でない 特別区は特別地方公共団体である。
地方自治法1条の3
1項 地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。
2項 普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。
3項 特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合及び財産区とする。
- 妥当でない 指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くことができるだけであって、地方自治法に規定される地方公共団体ではない。
地方自治法2条
1項 地方公共団体は、法人とする。
地方自治法252条の20 区の設置
1項 指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。
2項 区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。
3項 区にその事務所の長として区長を置く。
4項 区長又は区の事務所の出張所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて充てる
- 妥当でない 都から特別区財政調整交付金を受けることができる。
地方自治法282条
1項 都は、都及び特別区並びに特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、政令で定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとする。
- 妥当である 大都市地域における特別区の設置に関する法律に規定されている通り、一定の要件を満たす他の道府県においても特別区を設けることが可能である。
大都市地域における特別区の設置に関する法律 1条
この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区と道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的とする。
- 妥当でない 区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する規定はない。
地方自治法281条の2
1項 都は、特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として、第二条第五項において都道府県が処理するものとされている事務及び特別区に関する連絡調整に関する事務のほか、同条第三項において市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理するものとする。
2項 特別区は、基礎的な地方公共団体として、前項において特別区の存する区域を通じて都が一体的に処理するものとされているものを除き、一般的に、第二条第三項において市町村が処理するものとされている事務を処理するものとする。
3項 都及び特別区は、その事務を処理するに当たつては、相互に競合しないようにしなければならない。
- 妥当でない 特別区は特別地方公共団体である。
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