行政書士試験 過去問トレーニング vol.103

行政書士試験過去問を一問一答の無料トレーニング公開中!

▼詳しくは下記リンクで!▼

行政書士過去問一問一答

行政書士過去問 平成30年問3

問題

次の文章は、最高裁判所の判例(百里基地訴訟)の一説である。空欄[ ]に当てはまる文章として、妥当なものはどれか。

憲法98条1項は、憲法が国の最高法規であること、すなわち、憲法が成文法の国法形式として最も強い形式的効力を有し、憲法に違反するその余の法形式の全部又は一部はその違反する限度において法規範としての本来の効力を有しないことを定めた規定であるから、同条項にいう「国務に関するその他の行為」とは、同条項に列挙された法律、命令、詔勅と同一の性質を有する国の行為、言い換えれば、公権力を行使して法規範を定立する国の行為を意味し、したがって、行政処分、裁判などの国の行為は、個別的・具体的ながらも公権力を行使して法規範を定立する国の行為であるから、かかる法規範を定立する限りにおいて国務に関する行為に該当するものというべきであるが、国の行為であっても、私人と対等の立場で行う国の行為は、右のような法規範の定立を伴わないから憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」に該当しないものと解すべきである。・・・原審の適法に確定した事実関係のもとでは、本件売買契約は、[ ]

    1. 国が行った行為であって、私人と対等の立場で行った単なる私法上の行為とはいえず、右のような法規範の定立を伴うことが明らかであるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
    2. 私人と対等の立場で行った私法上の行為とはいえ、行政目的のために選択された行政手段の一つであり、国の行為と同視さるべき行為であるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
    3. 私人と対等の立場で行った私法上の行為とはいえ、そこにおける法規範の定立が社会法的修正を受けていることを考慮すると、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
    4. 国が行った法規範の定立ではあるが、一見極めて明白に違憲とは到底いえないため、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しないものというべきである。
    5. 国が行った行為ではあるが、私人と対等の立場で行った私法上の行為であり、右のような法規範の定立を伴わないことが明らかであるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しないものというべきである。

解説

有名な判例であるため判例を覚えておくべき。判例を覚えている人にとっては迷う事くして5を選べる問題。

また百里基地訴訟で覚えるべきポイントは2つ

  1. 私人と対等の立場で行う国の行為は「国務に関するその他の行為」に該当しないもの
  2. 憲法九条は、私法上の行為に対しては直接適用されるものではないと解するのが相当

 

百里基地訴訟 最判平成元年6月20日

憲法九八条一項は、憲法が国の最高法規であること、すなわち、憲法が成文法の国法形式として最も強い形式的効力を有し、憲法に違反するその余の法形式の全部又は一部はその違反する限度において法規範としての本来の効力を有しないことを定めた規定であるから、同条項にいう「国務に関するその他の行為」とは、同条項に列挙された法律、命令、詔勅と同一の性質を有する国の行為、言い換えれば、公権力を行使して法規範を定立する国の行為を意味し、したがつて、行政処分、裁判などの国の行為は、個別的・具体的ながらも公権力を行使して法規範を定立する国の行為であるから、かかる法規範を定立する限りにおいて国務に関する行為に該当するものというべきであるが、国の行為であつても、私人と対等の立場で行う国の行為は、右のような法規範の定立を伴わないから憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」に該当しないものと解すべきである。(中略)、憲法九条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではなく、人権規定と同様、私法上の行為に対しては直接適用されるものではないと解するのが相当


行政書士の過去問を一問一答形式で無料公開しております。

詳しくは下記リンクで!

行政書士過去問一問一答