民法一問一答 2

民法一問一答

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民法一問一答

参考過去問:行政書士過去問 平成29年問35

問題

遺言に関する次の記述を民法の規定に照らし、正誤を判断してください。

 

15歳に達した者は、遺言をすることができるが、遺言の証人または立会人となることはできない。

正しい 民法961条、974条に規定されている通り。

民法961条(遺言能力)

十五歳に達した者は、遺言をすることができる。

民法974条(証人及び立会人の欠格事由)

次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
 一号 未成年者
 二号 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
 三号 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人


 

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書してこれに押印しなければならず、遺言を変更する場合には、変更の場所を指示し、変更内容を付記して署名するか、または変更の場所に押印しなければ効力を生じない。

民法968条に規定されている通り、”または”ではなく”かつ”

民法968条(自筆証書遺言)

1項 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2項 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3項 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 


 

公正証書によって遺言をするには、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授しなければならないが、遺言者が障害等により口頭で述べることができない場合には、公証人の質問に対してうなずくこと、または首を左右に振ること等の動作で口授があったものとみなす。

 

誤り  民法969条の2に規定されている通りである。また公証人の質問に対してうなずくこと、または首を左右に振ること等の動作で口授があったものとみなすことは出来ない。

最判昭和51年1月16日

遺言者が、公正証書によつて遺言をするにあたり、公証人の質問に対し言語をもつて陳述することなく単に肯定又は否定の挙動を示したにすぎないときには、民法九六九条二号にいう口授があつたものとはいえず、このことは遺言事項が子の認知に関するものであつても異なるものではないと解すべきである。

民法969条の2(公正証書遺言の方式の特則)

1項 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2項 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3項 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

 


 

秘密証書によって遺言をするには、遺言者が、証書に署名、押印した上、その証書を証書に用いた印章により封印し、公証人一人および証人二人以上の面前で、当該封書が自己の遺言書である旨ならびにその筆者の氏名および住所を申述する必要があるが、証書は自書によらず、ワープロ等の機械により作成されたものであってもよい。

民法970条に規定されている通り、さらに秘密証書によって遺言をする場合は自筆ではなければならない規定は存在しない。 

民法970条(秘密証書遺言)

1項 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一号 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二号 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三号 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四号 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2項 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

 


 

成年被後見人は、事理弁識能力を欠いている場合には遺言をすることができないが、一時的に事理弁識能力を回復した場合には遺言をすることができ、その場合、法定代理人または3親等内の親族二人の立会いのもとで遺言書を作成しなければならない。

誤り 民法973条に規定されている通り、医師二人以上の立会いが必要である。

民法973条(成年被後見人の遺言)

1項 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2項 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

 


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