【公務員・行政書士・宅建士試験受験者】民法一問一答トレーニング11題目
民法一問一答
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参考過去問:行政書士過去問 平成29年問34
不法行為に関する次の記述を民法の規定および判例に照らし妥当かを判断してください。
景観の良否についての判断は個々人によって異なる主観的かつ多様性のあるものであることから、個々人が良好な景観の恵沢を享受する利益は、法律上保護される利益ではなく、当該利益を侵害しても、不法行為は成立しない。
誤り 有する良好な景観の恵沢を享受する利益は保護される。
建築物撤去等請求事件 最判平成18年3月30日
良好な景観に近接する地域内に居住し,その恵沢を日常的に享受している者は,良好な景観が有する客観的な価値の侵害に対して密接な利害関係を有するものというべきであり,これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益(以下「景観利益」という。)は,法律上保護に値するものと解するのが相当である。
不法行為に関する次の記述を民法の規定および判例に照らし妥当かを判断してください。
人がその品性、徳行、名声、信用などについて社会から受けるべき客観的な社会的評価が低下させられた場合だけではなく、人が自己自身に対して与えている主観的な名誉感情が侵害された場合にも、名誉毀損による不法行為が成立し、損害賠償の方法として原状回復も認められる。
誤り 名誉感情は含まないものと解するのが相当
委嘱状不法発送謝罪請求 最判昭和45年12月18日
民法七二三条にいう名誉とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まないものと解するのが相当である
不法行為に関する次の記述を民法の規定および判例に照らし妥当かを判断してください。
宗教上の理由から輸血拒否の意思表示を明確にしている患者に対して、輸血以外に救命手段がない場合には輸血することがある旨を医療機関が説明しないで手術を行い輸血をしてしまったときでも、患者が宗教上の信念に基づいて当該手術を受けるか否かを意思決定する権利はそもそも人格権の一内容として法的に保護に値するものではないので、不法行為は成立しない。
誤り 手術を受けるか否かを意思決定する権利はそもそも人格権の一内容として法的に保護される。
損害賠償請求上告,同附帯上告事件 最判平成12年2月29日
輸血を伴う可能性のあった本件手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪ったものといわざるを得ず、この点において同人の人格権を侵害したものとして、同人がこれによって被った精神的苦痛を慰謝すべき責任を負うものというべきである。そして、また、上告人は、W医師らの使用者として、Tに対し民法七一五条に基づく不法行為責任を負うものといわなければならない。
不法行為に関する次の記述を民法の規定および判例に照らし妥当かを判断してください。
医師の過失により医療水準に適(かな)った医療行為が行われず患者が死亡した場合において、医療行為と患者の死亡との間の因果関係が証明されなくても、医療水準に適った医療行為が行われていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明されるときは、不法行為が成立する。
正しい 判例の通りである。
損害賠償請求事件 最判平成12年9月22日
疾病のため死亡した患者の診療に当たった医師の医療行為が、その過失により、当時の医療水準にかなったものでなかった場合において、右医療行為と患者の死亡との間の因果関係の存在は証明されないけれども、医療水準にかなった医療が行われていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明されるときは、医師は、患者に対し、不法行為による損害を賠償する責任を負うものと解するのが相当である。
不法行為に関する次の記述を民法の規定および判例に照らし妥当かを判断してください。
交通事故の被害者が後遺症のために身体的機能の一部を喪失した場合には、その後遺症の程度が軽微であって被害者の現在または将来における収入の減少が認められないときでも、労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害が認められる。
誤り 従事する職業の性質からみて現在又は将来における収入の減少も認められないという場合は働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害を認める余地はない
損害賠償 最判昭和56年12月22日
交通事故の被害者が事故に起因する後遺症のために身体的機能の一部を喪失したこと自体を損害と観念することができるとしても、その後遺症の程度が比較的軽微であつて、しかも被害者が従事する職業の性質からみて現在又は将来における収入の減少も認められないという場合においては、特段の事情のない限り、労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害を認める余地はないというべきである。
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