民法一問一答 ~宅建士過去問解説~

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民法一問一答

参考過去問:宅建士過去問 令和2年問2

問題

 

 

AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和3年7月1日に授与した場合に関する次の記述を民法の規定及び判例に照らして正誤を判断してください。

Bが自己又は第三者の利益を図る目的で、Aの代理人として甲土地をDに売却した場合、Dがその目的を知り、又は知ることができたときは、Bの代理行為は無権代理とみなされる。

 

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正しい 民法107条に規定されている通り、相手方Dは代理人Bの目的を知り、又は知ることができたときは、Bの代理行為は無権代理とみなされる。

民法107条(代理権の濫用)

代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。

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AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和3年7月1日に授与した場合に関する次の記述を民法の規定及び判例に照らして正誤を判断してください。

BがCの代理人も引き受け、AC双方の代理人として甲土地に係るAC間の売買契約を締結した場合、Aに損害が発生しなければ、Bの代理行為は無権代理とはみなされない。

 

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誤り 民法108条に規定されている通り。Aの損害の有無に関係なく当事者双方の代理人としてした行為は代理権を有しない者がした行為とみなす

民法108条(自己契約及び双方代理等)

1項 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
2項 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない

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AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和3年7月1日に授与した場合に関する次の記述を民法の規定及び判例に照らして正誤を判断してください。

AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うことはない。

 

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誤り 民法112条1項に規定されている通り。A(他人に代理権を与えた者)は、E(代理権の消滅の事実を知らなかった第三者)に対してその責任を負う可能性がある。

民法112条(代理権消滅後の表見代理等)

1項 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

2項 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

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AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和3年7月1日に授与した場合に関する次の記述を民法の規定及び判例に照らして正誤を判断してください。

Bが、Aから代理権を授与されていないA所有の乙土地の売却につき、Aの代理人としてFと売買契約を締結した場合、AがFに対して追認の意思表示をすれば、Bの代理行為は追認の時からAに対して効力を生ずる。

 

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誤り 民法116条に規定されている通り原則契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。

民法116条(無権代理行為の追認)

追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

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